第1回小学生女流将棋名人戦(日本女子プロ将棋協会(LPSA)主催、近代将棋後援)決勝三番勝負が8月25日に、東京都港区「汐留メディアタワー・アネックス」で行われ、東日本代表の新藤仁奈さん(群馬・渋川市立長尾小6)が西日本代表の北村桂香さん(京都・宇治市立大久保小6)を2−0で降し、初代小学生女流名人に輝いた。新藤さんは9月16日に行われる「ナレッジデザイン杯・第4回1dayトーナメント(仮)」に出場する予定。
今年から始まったこの大会は、女子の小学生ナンバーワンを決めるもの。東日本大会が32人、西日本大会は22人が参加した。決勝戦に進出した北村さんはキリンビバレッジ・ガールズ部門で準優勝、新藤さんは小学生名人戦・2年連続群馬代表の実績がある。
第1局は後手の北村さんの四間飛車に、新藤さんは右四間飛車から銀冠に囲った。北村さんがリードを奪ったが、最後は北村さんの玉がトン死して、新藤さんが先勝した。
第2局も北村さんの四間飛車に、新藤さんは右四間飛車から、穴熊に囲った。
中盤に北村さんが華麗にさばきリードを奪ったが、新藤さんが終盤に追い込んで逆転、初代小学生女流名人の座を勝ち取った。
残念ながら準優勝だった北村さんは「中盤までは手ごたえがあったが、終盤の手前でミスをしてしまった」と振り返った。今後は「今まで以上に強くなりたい」と決意を新たにした。
新藤さんは「全国大会で初めて優勝できてうれしい」と喜びを表し、「中盤までは苦しかった」と振り返った。将来はプロになることを夢見ていて、高崎の道場に週に1回通い腕を磨いている。女流アマ名人戦などの大会にも、妹の春実ちゃんと2人で参加している。大会当日の朝、父親の満春さんの運転で会場に向かう。この日も6時半に自宅を出たそうだ。満春さんは「よかった。安心しました」と語った。
決勝戦を観戦した中井女流六段は「2局とも良い内容だった。二人ともプロになれる素質はある」と太鼓判を押し、大会を締めくくった。 (荒井)
(週刊将棋 2007年9月5日号)